2月23日「憲法9条の会・生駒」創立15周年記念集会特集(詳報)
 

 2004年12月、図書会館に小森陽一氏を招き「9条の会・生駒」創立集会を開きましたが、2019年12月ですでに15年が経ちました。発端は、2004年6月に大江健三郎氏ら著名な9名の文化人が、差し迫る憲法改悪の危機を訴え、全国に「9条の会」を作って活動の幅を広げよう、と訴えられました。この9名のうち、すでに7名の方々は故人となられましたが、この呼びかけは巨大な力となって国民運動として広がり、全国に約7500団体の「9条の会」が生まれ、これまでの改憲の策動を封じてきました。今や一世代若い12名の「9条の会」世話人が全国を牽引しており、そのうちの1人が今回講演された国際ジャーナリスト伊藤千尋氏です。



◎ 12月19日のプレ集会と、新型コロナウイルス報道

 このウイルス報道は2月20頃から急速に大きくなりましたが、当時の奈良県や生駒市の方針に従って、会場に消毒液などを用意し、予定通り集会を開催、会場には約180名が参加し、大きな成功を収めました。だが、この15周年記念集会を必ず成功させること、また新しい情勢に対応して「改憲発議阻止の新署名運動」を開始する意義を、みんなで学習し確認するため、12月19日に学習・交流会を開き、34名が参加しました。こういう準備をへて当日を迎えました。


◎ 夏原幸子さんの、歌とスピーチがすばらしい

  

 「パリの空の下」立津宏祠氏のピアノの音色にあわせて登場した夏原さん、歌われたのは5曲。①ソレアード(涙を微笑みに、憎しみを愛に、戦いを平和に、すべての人々を兄弟にする子どもたち、の素晴らしさ)②ヨイトマケの唄(貧しい土方の母ちゃんの唄)③愛の追憶(兵士に恋した娘、2人で暮らす日を夢見て待ちつづけ、やがて年老いた彼女は戦争が終わったことさえ知らない)④さくらんぼの実る頃(うぐいすの声、恋のよろこび、年老いた今もあのさくらんぼ実る頃が懐かしい)⑤生きる時代(1968年パリ5月革命を背景に愛をうたう)・・・・・これらの歌の背景と意味をスピーチされるとともに、彼女の気持ちを込めて熱唱され、聞く人に大きな感動を与えました。


◎ 迫力満点の伊藤千尋氏、熱のこもった90分の講演

  スクリーンに映像を示しながら、最初に日本国憲法9条の記念碑の話をされました。大西洋のカナリア諸島やトルコの地中海に、また日本国内に21か所も9条の記念碑があります。それほど戦争放棄の9条の価値が注目されています。コスタリカでは「平和憲法をもつコスタリカと日本の国民にノーベル平和賞を」と国会決議までしています。コスタリカは憲法に書かれている通り、軍隊をなくし、その予算を教育にまわしました。ここでは教育は無料です。貧しい国でもこんなことができるのは、軍隊がないからです。

  

  憲法9条はアメリカの押し付けではなく、日本の幣原喜重郎首相が熟考を重ねたうえ、発案した提案をマッカーサーに提起し、憲法に入ったのです。これは歴史の事実です。押し付けられた、を理由に9条を変えるなどとはとんでもないことです。

 しかし政府は憲法に沿った国づくりをするのではなく、逆に憲法に反する政治ばかりです。どうすればこんな日本を変えられるか、「選挙は負けてばかり」と悲観する必要はありません。大統領を退陣させた韓国100万人のローソクデモ、歌とスマホが活躍しました。「ベルリンの壁」崩壊のきっかけは5人の若者の行動で、東ドイツ・ライプチヒの教会の平和的なデモ、それが弾圧を受けると7万人に膨れ上がり、12万人になると警察も手が出なくなりました。参加した市民は15%です。15%が立ち上がれば社会を変えられます。みなさん、社会を変える「15%」、その最初の「1%」になりましょう。熱を込めて身体ごと訴える伊藤さんの迫力に、参加者は元気と勇気、未来への希望をもらいました。



◎ 終わってから寄せられた伊藤千尋氏のコメント(要点)
 コロナ騒ぎの中でしたが、舞台から見て会場はほぼ満員で、みなさん熱心に聞いていただき、僕としても話しがいを強く感じました。15年も続けるのは簡単なことではありませんが、みなさんの強い意志と行動力のたまものです。感想文はみなさん、弾むように書いていらっしゃいますね。こちらが励まされる思いです。お話しさせていただきながら会場を見ると、みなさんの顔が輝いていらっしゃいました。質疑応答で、最初に感想を述べられた女性の方のお言葉にも感激しました。出かけて行って本当に良かったと思っています。ありがとうございました。

 

◎ 感想文からいくつかの抜粋

1. このような力強いお話を聴く機会を得られて本当に助けられ、力をいただいた思いです。これからも是非多くの人たちにこのような機会を持たれるよう願います。夏原さんの歌に、涙流しながら聞かせていただきました。

2. 「運動の速力をあげるためには、SNSを駆使すること」という提案、そうだと思うのだが、なかなか苦手意識から抜け出せない。社会を変える15%の法則、参考になった。ジャーナリストらしい、現場に足を運んで、事実に基づいての報告は説得力があった。

3. 伊藤先生、本当にお疲れさまでした。私は、初めて参加させていただきましたが、先生の日本を思われる行動、いや世界平和を思われての、いろいろな世界を駆け抜けての行動に感動しました。表に出る部分と裏の世界を知り、もっともっと世の中のことを知らないといけない、と思いました。子どもたちの未来のために、皆で声を上げられる大人になります!!

4. 今まで聞いた講演会で一番でした。なぜなら「ダメだというだけではダメだ」と思うからです。具体的な提案をする。今日の講演は、具体的な提案のアイデアがいっぱいありました。一歩前に行動しようと思います。歌で元気がでますネ。

5. 今日の集会で、生駒はとても早い時期に9条の会ができたことを知りました。生駒はすごいなと思いました。「安倍政権が中村さんを殺した」と言われて、そうだったのか、と思いました。「憲法を守る」とか「9条」というと、何か古いもののようで、若い人にはあまり関心がないように思います。でも、だまっていたら、憲法が変えられていくので、どうしたら若い人にアピールできるか、考えたいです。

6. 本当に分かりやすい講演だった。迫力もあり、映像もあり、文字の大きさも適切でした。15周年、がんばってきたと思います。夏原さんの歌、ずいぶん深い表現だと思います。演劇的な表現も、感動を呼ぶ力になったかな、よかったです。

 

  

 

  ◎みなさんの、「憲法九条の会・生駒」への賛同募金をお待ちしております。
     「郵便振替口座 00930-9-278631 憲法九条の会・生駒」へお願いします。

 



●憲法9条の会・生駒 [創立15周年記念集会]おしらせチラシ

 

講演される国際ジャーナリスト伊藤千尋さんの記事です。(民医連月刊誌「いつでも元気2019,12」号より転載)

 
MIN-IRENトピックスより⇒https://www.min-iren.gr.jp/?p=39067

 



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