憲法九条の会・生駒

第一回 憲法連続講座のまとめ
1947年5月3日の施行以来58年間、日本国憲法は私たちの暮らしに深く根ざし、
東アジアの戦争を阻止するために大きな力を発揮してきました。
改憲の動きが強まってきている今、改めて
憲法を学び直し、人にも語れる力をつけましょう。

4月29日(金・祝)13:30〜16:30 於セイセイビル402・403号室
★オープニング 「憲法九条の歌」他 コーラス「樫」

参加者数(80名)・会場カンパ(32名、4万円)・感想文(14名)・賛同人申込(9名)他に、
平和委員会沖縄カンパ(5589円)・寄せ書き(16名)

講師 前田徹生 桃山学院大学教授、法学部部長
+++ プロフィール +++ 
1947年東京生まれ 上智大学法学部卒(専攻は憲法学) 
ミュンヘン大学政治公法研究所留学 現在 桃山学院大学法学部教授
主著「日本国憲法の理論」「現代憲法の理論と現実」「青林法学双書 憲法第2版」(いずれも共著)
演題 憲法第9条の生い立ち
内容(要旨)
1945年7月26日に出されたポツダム宣言から、1947年5月3日日本国憲法施行までの憲法草案を巡って、時の日本政府とマッカーサー占領軍司令部とのやりとり、その後の関係者の日記や著書など詳細にわたって、紹介して説明してくださいました。

・ポツダム宣言を受けてから、受諾まで時の権力者は国民のことなど眼中になく、ただ一点「国体ー天皇制の維持」であった。そのために、原爆よりもソ連の参戦に恐れを抱いて、降伏したのである。
日本政府が、憲法調査会を設置して、草案をマッカーサーに提示するが、「最も保守的な民間草案よりも、さらにずっとおくれたもの」と拒否された。
・1946年2月3日、マッカーサーは、三原則を提示して、民生局に憲法改正案の作成を命令した。
2月10日、草案完成 2月13日、日本政府に提示
3月6日、日本政府の「憲法改正草案要綱」発表
5月27日、世論調査で、@象徴天皇制 支持85%A戦争放棄 70%必要B国民の権利・自由・義務 支持65%その後、約4ヶ月第90帝国議会で討議、修正されて圧倒的多数の賛成での日本国憲法は、成立した。

*日本国憲法は、不幸な運命をたどわされてきた。その草案を手にした時から、ずっと今日まで、時の政権者からうとまれる存在であった。なぜなら、この憲法は、権力者が勝手に国民を支配することをしばっているものだから。一方、国民はこの憲法を目にしたとき、「目の前がパーッと明るく感じた」「心躍る気持ちである」「戦争をもう二度としないですむ」と歓喜をもって、迎えたのです。戦後58年間、この憲法のおかげで、一人の外国人を戦争で殺すこともなくすんだのです。

*「憲法九条」は、戦後の少しの平和な世界情勢の申し子のようなものかもしれない。しかし、そこには、世界中の人々の不戦の誓いや願いが込められている。偶然「突然変異」ではなく、人類の歴史の必然として生み出されたと思う。

*私は、自分のポリシーとして、私人と公人の立場を別けています。長年、生駒では私人として暮らしていました。ですが、今回私人であるべき生駒で、講演をしなくてはと思ったのは、憲法学者として、今言わなければならないと思ったからです。 (文責 真鍋)
感想文(14名)

○ 切り口がしぼられていて、大変勉強になりました。
九条を改正したとして(たとえば、自衛隊を合憲とする)、にもかかわらず9条の理念は守ることができるか否かーといった素朴な疑問があるのですが。

○ 2時間が長いとは感じず、ねむたくなることもなく、今までの学習の確認も含めて、とてもいい勉強になりました。
平和あってこその生活、広く多くの人々に憲法守りましょうを普及していかねばと痛感します。できることをやりたいと思っています。

○ くわしく整理されて勉強になりました。本当の学習講座内容でした。願わくは、大筋ここを押さえるために、こまかく、くわしい資料のもとでの、ここの説明を要するのだとか、要点のポイントは大きくこの部分だとかの緩急自在、大衆性、だれが受けてもわかりやすく「おもしろい」ためになる内容であれば、もっとすばらしいと思います。本当にぜいたくなことですが、ご近所の方を誘ってきても平たく勉強になり、聞きやすいものであってほしいです。(高度の意識レベルなくても)

○9条の生い立ちが、自然な形で(情勢)で理解できました。
・ポツダム宣言のはたした役割(内容の)は、大きいものだったと認識しました。

○たいへん、よく分った講義でした。当時の歴史の中に生きているようー
私も軍国少年のひとりでしたが、大分、国東半島の上空は広島や呉などへのB29の通り道でしたので、広い空をやっととりもどせた開放感を感じたのを覚えています。次回が楽しみです。ありがとうございました。

〇 誰にとっての「押し付け」だったのか、「押し付け論」の起源がはっきりした。分りやすい講義でした。

〇質問 1 自衛隊が違憲だとすると、結局どうなりますか。
     2 押し付け無効論はいま現存しますか。「無効」とはどういうことを言いたいのですか。
○意見 1 歌をうたうのは好きません。君が代の斉唱を思い出します。
     2 改「悪」という含みある言い方も好きません。

私は29歳ですが、私が大学の法学部で初めて学んだのは、芦部信喜先生の実質憲法論でした。だから私は心情的にはいわゆる護憲論に同情的だと自覚しています。
  しかし最近では、いわゆる改憲論の粗雑な主張の仕方に(特に立憲主義の浅薄な理解)にうんざりしたことが逆に、翻って、いわゆる護憲論の主張も似たり寄ったりの粗雑さではないかと思うようになりました。(さらに実質的憲法論にも懐疑的になりました)。
  そこで、そうした「神々の争い」に踏み込むのがいやさに、ケルゼン、ウェーバー、ポパー、そして松井茂記先生のプロセス憲法論に親近感を持つようになりました。そして「批判とは言明間の両立不可能な関係を指摘することにある」(W・バートリー)というテーゼや、経験科学の権能に関するウェーバーの見解をテコにして、いわゆる改憲論を(そして、いわゆる護憲論をも)内在的に批判できるのではないかと地味に考えています。
  もっとも、さらに最近では、およそいわゆる憲法は、人間の社会的行動についての「状況論理」(logic of situatitons)を規定したものではないか、だとすれば、その内容は自ずと特定のもの(たとえば立憲主義)に決まってくるのではないか、などと考えています。

〇 戦後の歴史をあまりにも知らない自分に気付きました。知らせない、考えさせない力がいつも働いていたのだ。ねじれ現象をしっかり見きわめたい。

〇 中学一年(高等女学校)の時に、憲法が公布され、十分には理解できないままに、でも、もう戦争はないのだという喜びに感動したことを、今でも覚えています。当時を生きていた人はみな、戦争で苦労しましたから(一握りの戦争でもうけた人以外は)9条をみて解放された思いをもったのは当然でしょう。自由にしゃべれる、自由に行動できる、もう「非国民」とはいわれないという国民主権を含めて。

〇 次回は、主題についてまずお話しください。その後に背景、等等をお話しください。

〇 大変系統的で、わかりやすい講演で、休日に参加しただけありました。2回目、3回目を楽しみにしています。呼びかけ人になって下さって講演をひき受けて下さったことに感謝です。

〇 法律や憲法は私にとってかなりのアレル源でしたが、今日の前田先生のお話はそんな私にもとてもわかりやすく興味深く聞く事が出来ました。これを機会に憲法9条をもっと良く理解して9条を守る必要を強く感じました。有難うございました。

 〇 まさにタイトルにある「9条のおいたち」のとおり、憲法のおいたちについて順をおって話されたので、非常によくわかった。しかも面白く聞くことが出来ました。第2回、3回、是非聞きたいと思います。

 〇 大変有意義であり、知識が拡がった。次回を大いに期待しています。
 
2005/5/2記
第3回はこちらから
第2回は こちら から

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